建築は、様々な背景を持って生れます。
強い個性でデザインを要求するクライアント、標準的で無難で目立たぬようにというクライアント、また何よりローコストなものをというクライアント、このようなクライアントの様々な要求や、それを取り巻く様々な条件との闘いの結果が建築となって姿をあらわすことになります。
しかしながら、出来上がった建物には、そのようなことは、何処にも、何も記されていないし、直接の関わりのない人にとっては、そんなことはどうでも良いことかもしれません。
私たちは、だからといって、この闘いのプロセスをおろそかにしてはならないと思っています。建築は、それを使う人にとって納得のいくものでなければならないことは言うまでもありませんが、姿を現した瞬間より将来に亙って、街の構成員としての役割を担い続けなければなりません。
建築は時代を映しこんで、街の風景をつくりながら、人々の安息の場として、また、情熱を燃やす場として、未来に繋がらなければなりません。
そのためにも、私たちの設計活動は、何よりも、この闘いのプロセスに依拠して、未来を見据えたものでありたいと考えています。
代表取締役 田岡博行 |