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現場技術者・職人&施工業者

建設工事は様々な種類の技術者や職人の技術と技能によって完成します。

そのなかでも大規模修繕工事は、工事種目、工事内容が新築工事と比べると比較的少なく進めることができます。工種によっては、あまり経験がなくても出来栄えに影響しないものもあります。しかし、ほとんどの工種で長短の差はあれ、経験は求められます。

ところが、最近の職人不足は相当深刻で、本来、素人では立ち入れない部分にも外国人や学生のアルバイトが雇用されています。特に工事予算と工期を厳しく設定した場合、このようなことがよく起こっています。
定められた期間内に工事を完了するためには、一定の期間に一定の人数の職人を集めなければなりませんが、職人不足の状況で集めるためには好条件(高報酬)でなければならず、予算がない中でどうしても頭数合わせのために、素人のアルバイトでしのごうということになるのです。それで何の訓練もないままいきなり現場作業をまかせ、不備が生じてもそれをカバーできる体制もなくクレームだらけの仕上がりになってしまいます。

このような状況に陥ったマンションを最近よく見かけますが、これは一にも二にも最初の施工業者選びのミスが原因です。
ほとんどの管理組合が低価格で請け負ってくれるということで施工業者を選定しています。営業マンによる、耳触りの良いプレゼンで納得して、肝腎の現場監督や、現場体制についての検証がされていません。また、特に中小の施工業者であれば、他の受注工事の状況を確認し、無理のない職人配置ができるかどうかの確認が必要ですが、全くなされていません。

施工業者選定でのこのようなミスを犯さないことが何よりも重要ですが、それでも不安な業者選定をしてしまった場合は、工期を見直したり、工事内容を見直したり、柔軟で落ち着いた対応が必要です。